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第81部・目を健やかに

(2671)加齢黄斑変性 中高年に多い目の生活習慣病 喫煙、高血圧も関係
北國新聞(朝刊)2020年07月26日付

「家庭では、定期的に升目が描かれた紙を片目で見てチェックするのがよい」と話す竹本助教=金大附属病院
 中高年に多い目の病気に「加齢黄斑(おうはん)変性」がある。「目の生活習慣病」とも呼ばれ、視野の中心が暗く、物がゆがんで見えるのが特徴だ。

 金沢市内に住む60代男性の話である。仕事中に車を運転していて目の違和感に気付いた。「右目の調子、悪いな。なんか、信号機が曲がって見える」

 左目を閉じてみると、明らかに信号機の形がゆがんで見えるのだ。

 最近、仕事が忙しかったから、目が疲れているだけだろう。「両目を使えば、十分見えるし」。そう考えて、しばらく様子を見ることにした。

ゆがんで見える

 ところが、調子は一向によくならない。ゆがみはどんどんひどくなっていく。右目の視界は、中心が押しつぶしたようになっている。

 左目で何とかカバーしてきたが、いよいよ、ひどくなってきた。「危なくて車の運転ができない。困った」。慌てて、近くの眼科医院を訪れた。

 網膜や眼底を調べた医師が告げた病名は、加齢黄斑変性だった。聞き慣れない病名に、男性は不安を覚えたが、医師は続けた。「かつては難しい病気でしたが、治療法はありますよ」

 金大附属病院眼科の竹本大輔助教によると、この病気の原因の一つは加齢である。しかし、目の生活習慣病と言われるように、高血圧や高コレステロール、喫煙習慣などとの関係が指摘されている。

 発症のメカニズムはこうだ。外から入ってきた光をキャッチする「網膜」の外側には「網膜色素上皮」、さらに外側に「脈絡膜」があるが、加齢黄斑変性になると、この脈絡膜から「新生血管」という本来必要のない血管が網膜側へ伸びてくる。

 この新生血管は、もろい。血液などが漏れて徐々に、網膜の中心に位置する黄斑を痛める。黄斑は物の大きさや色などを識別する重要な場所であり、異常が起こると、物がゆがんで見えたり暗くなったり、視力も低下する。

 「片方の目だけに起きることも多いため、初期だと意外と気付かない」と竹本助教は説明する。

 加齢黄斑変性はかつて治すのが難しい病気だったが、二つの治療法が確立された。一つは、新生血管の発生を抑える「抗VEGF薬」の注射だ。定期的に注射する必要はあるが、視力の改善が見込める。薬の効果が弱い場合は、「光線力学的療法」という特殊なレーザー治療によって、新生血管のみをつぶしてしまう方法もある。

早期発見が鍵

 ただし、治療法があるといっても、ならないよう気を付けることが肝心だ。「たばこをやめたり、野菜中心の食生活に変えたり、紫外線対策をすることも、重要になる」と竹本助教は語る。

 早期発見も鍵になり、家庭で見つける方法がある。升目が描かれた紙を冷蔵庫などに張り、少し離れて片方の目で見る。竹本助教は「視野の中心部分にゆがみや暗さを感じたら、眼科医院を受診してほしい」と訴える。予防と早期発見。目の病気も体の病気と同様、自身の心掛けが重要になる。



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