top 応急手当Q&A 休日当番医 リンク集 お問い合わせ
北國健康生きがい支援機構

医療記事特集
丈夫がいいね
トップページ > 医療記事特集

医療記事特集
丈夫がいいね

第81部・目を健やかに

(2480)紫外線に注意 屋外仕事で多い「翼状片」 白目の組織が黒目覆う
北國新聞(朝刊)2020年08月29日付

「翼状片を発症した目では白目が黒目にかかってくる」と説明する小林臨床准教授=金大附属病院


 洗面所の鏡で自分の目をよく見てほしい。白目のうち、鼻側の部分が翼のように広がって、黒目を覆ってはいないだろうか。もしそうなら、「翼状片(よくじょうへん)」という病気を発症している恐れがある。

 白山市内に住む50代男性は、ひげをそっている時、ふと鏡の中の自分と目が合って、その異状に気付いた。

 「年だろう」と最初は気にしていなかったが、やがて変化は見た目の問題だけではなくなっていった。

乱視や目の充血

 ひどく目が充血し、乾燥しているように感じる。さらには乱視によって物体が二重、三重に見えてしまう。男性は農家である。軽トラックで田んぼや畑に出掛け、農業機械を運転することも多い。乱視では仕事に支障が出る。

 「眼鏡をかえんと、だめやろうなあ」。久々に眼科医院を訪ねた男性は、簡単な検査だけで済むと高をくくっていたが、念入りに調べた医師から思わぬ診断を下された。

 「乱視は『翼状片』という、目の病気が原因です。よく紫外線に当たる環境で仕事をしていませんか」

 うなずく男性に医師は続けた。「この状態だと手術が必要です。大きな病院を紹介します」

 翼状片はサッカーや野球の選手、身近なところでは農業や建設業など、屋外で働く人によく現れる病気だという。

 角膜の病気に詳しい金大附属病院眼科の小林顕臨床准教授は「体質によるが、屋外で部活動やクラブ活動をやっていて発症することもある。若者から高齢者まで、患者の年齢幅は広い」と話す。

 翼状片は、白目を覆う「結膜」の組織が異常に増殖することで起きるが、詳しい原因は分かっていない。関連が指摘されているのが紫外線である。実際、日本よりも紫外線量が多い、赤道直下の国では翼状片の患者数が多いとされる。

 治療は基本的に「遊離結膜弁移植(ゆうりけつまくべんいしょく)」という外科手術が行われる。異常増殖した結膜を切除し、代わりに、自分の白目の上部から切り取った正常な結膜を縫い付ける手法だ。

再発の症例目立つ

 「この病気が厄介なのは、再発するケースが目立つこと。何度も繰り返すと、遊離結膜弁移植が使えなくなる」と小林臨床准教授は説明する。

 再発を繰り返す場合に行われるのが「羊膜移植」である。増殖した結膜を切除した上で、いったん抗がん剤を目の中に浸透させる。その後、おなかの中で赤ちゃんを包む「羊膜」を切除部位に貼り付けて縫い合わせる。羊膜には炎症を抑える働きなどがあり、組織の異常増殖を鎮め、病状の安定化を図るのだ。

 石川県内では金大附属病院、富山県内では富大附属病院が手掛ける、難易度の高い手術である。地元に優れた専門医がいるのは心強い。しかし予防するに越したことはない。

 「最も良いのは、屋外に出ることが多い人は、普段からサングラスや帽子を使うこと。曇りの日でも欠かせません」と小林臨床准教授は力説する。目の中にほしいのは「翼」ではなく、健全な輝き。そのための紫外線対策は忘れないようにしたい。



Copyright (C); THE HOKKOKU SHIMBUN All Rights Reserved.
〒920-8588 石川県金沢市南町2番1号 北國新聞社広報部 Maill : info@kenko-ikigai.com