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再生医療、夢から現実に 北國健康生きがい支援事業・金沢医科大プログラム 堤教授らがiPS細胞を解説
2015/10/18 北國新聞 朝刊

 北國健康生きがい支援事業・第1回金沢医科大プログラム「再生医療がもたらす未来」(同大総合医学研究所、北國新聞社主催)は17日、金沢市の北國新聞20階ホールで開かれた。同大病院再生医療センター長の堤幹宏教授ら3人の専門家が、iPS細胞など幹細胞を用いた臓器再生の仕組みや実用化の現状を解説し、来場者は夢から現実となっている再生医療の可能性を学んだ。

 堤センター長は、体の中に存在する組織幹細胞を使った再生医療が、肝硬変や大腿(だいたい)骨頭壊死(えし)などの治療に既に使われていることを解説した。来年4月に稼働する同大の再生医療センターについては、肝臓の再生や、がん患者の免疫力を高める治療など現実的な再生医療に取り組むことを説明し、「各科の垣根を越え、すべての臓器の再生を目指したい」と意欲を語った。
 続いて登壇した久保江理眼科学教授は眼科分野の再生医療として、白内障の手術で使われる眼内レンズを取り上げ、乱視を矯正し、遠くも近くも見える多焦点の眼内レンズが開発されていることを説明した。iPS細胞を使った網膜治療についても紹介した。
 特別講演では、鳥取大大学院医学系研究科の白吉安昭准教授が心臓の再生術を説明した。重症心不全患者の太ももの筋肉から採取した細胞をシート状に培養し、心臓の表面に移植して機能を改善させる手術があるとした。病気の心臓から作ったiPS細胞を研究することで病気の原因や薬の開発にもつながると説き、「新しい医療の幕開けであり、より発展していくことが期待される」と述べた。
 冒頭、金沢医科大総合医学研究所の西尾眞友所長があいさつした。



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