北國健康生きがい支援機構
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最先端の薬、手術を解説 進歩する肺がん治療 北國健康生きがい支援事業・金大プログラム
2018/03/19 北國新聞 朝刊

 北國健康生きがい支援事業の金大プログラム(金大、北國新聞社主催)は18日、金沢市の北國新聞20階ホールで開かれた。「肺がん治療の進歩」をテーマに、金大がん進展制御研究所の矢野聖二教授と金大附属病院呼吸器外科の松本勲臨床教授が、がんの中で最も死亡率の高い肺がんについて、従来の抗がん剤より副作用の少ない新薬や、ロボットによる外科手術など最先端の治療法を解説した。

 矢野教授は、がん細胞が免疫から逃れようとするのを阻止する「免疫チェックポイント阻害薬」、がん細胞が増殖するために必要な特定のタンパク質や遺伝子を狙い撃ちしてその機能を抑える「分子標的薬」について解説した。
 近年、次々と開発されている新薬の阻害薬と分子標的薬は、従来の抗がん剤に比べて副作用が少ないものの、薬の効果が出た一部の患者にがんが再発するなど課題もあることを説明した。矢野教授は「2002年ごろまで抗がん薬だけだったが、阻害薬や分子標的薬で治療できるようになり、うまく使い分けている」と述べた。
 松本臨床教授は「最先端の外科治療とは?」と題して講演した。皮膚を5センチほど切り、そこから胸の中に細い内視鏡を入れる胸腔鏡(きょうくうきょう)手術や、カメラ画像を見ながら手術器具を装着した機械を遠隔操作する手術支援ロボット「ダヴィンチ」などを紹介した。
 胸腔鏡手術は開胸手術に比べて傷口が小さくなることから、松本臨床教授は「患者に負担を掛けず、治療後の生活設計に可能な限り寄り添って治療している。そのためには、我々の治療技術をより工夫していかなければならないと思っている」と強調した。
 矢野、松本両氏は、真っ黒になった喫煙者の肺の写真を見せ、肺がんの最大の原因であるたばこへの注意を促した。



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