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陽子線治療を紹介 北陸唯一 がん狙い撃ち、副作用少なく 北國健康生きがい支援事業・福井県立病院プログラム
2018/07/22 北國新聞 朝刊

 北國健康生きがい支援事業の福井県立病院プログラム(同病院、北國新聞社主催)は21日、金沢市の北國新聞20階ホールで開かれ、北陸で唯一、同病院が行うがん治療「陽子線治療」の有効性や4月に公的医療保険が適用された分野について紹介した。がん細胞のみを壊し、副作用の少ないことを解説した同病院陽子線がん治療センター長の玉村裕保氏は今後、石川県内の医療機関とも連携する考えを示した。

 陽子線治療は、水素を構成する原子核「陽子」をがん細胞に直接ぶつけて壊す。玉村氏は「体を切らず、痛くも熱くもなく、患部以外に副作用がない。入院せずに治療できる」と説明し、体力的に外科手術の難しい高齢のがん患者に陽子線治療が適するとした。
 通常の放射線治療との違いについては、陽子線はがん細胞を狙い撃ちにするため、がん細胞の周辺の細胞を傷付けず治療できると解説した。さらに同病院はコンピューター断層撮影装置(CT)を治療に組み込み「世界トップレベルの高精度な技術を実現した」と述べ、石川や富山などからも患者が訪れているとした。
 ネックとなっていた高額の治療費に関しては、これまでの小児がんに加え、4月から頭頸部の一部、前立腺のがん、骨軟部の腫瘍にも公的保険が適用になったことや、民間保険でも負担を軽減できると説いた。玉村氏は「放射線治療と陽子線治療は同じ部位にできない。まず主治医に相談してほしい」と呼び掛けた。
 金大附属病院の陽子線治療の相談外来も紹介した。
●核医学治療も説明
 会場では、金大附属病院核医学診療科の絹谷清剛教授が、がんの「核医学治療」を紹介し、効果的にがん細胞を壊すメカニズムを解説した。規制が多い核医学治療や研究を円滑に進めるため、国への要望など推進活動への協力を求めた。



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