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陽子線治療の有効性を紹介(福井県立病院プログラム)

 北國健康生きがい支援事業の福井県立病院プログラム(同病院、北國新聞社主催)は21日、金沢市の北國新聞20階ホールで開かれた。「消化器のがんと治療」と題して2氏が講演し、北陸で同病院のみが行い、次世代のがん治療として注目を集める「陽子線治療」の有効性などが紹介された。
 陽子線治療は陽子のビームでがんの病巣を狙い撃ちし、エックス線治療に比べて患部以外にダメージを与えない利点がある。
 福井県立病院陽子線がん治療センター長の玉村裕保氏は高齢のがん患者が今後増えると指摘し「陽子線治療は光を照射するだけで痛くも熱くもない。副作用が少なく、体に優しい」と説明。さらにセンターに通院する患者に触れ「8割が働きながら、家にいながらで、歯医者に行くような感じ」と体への負担の少なさを強調した。
 公的保険の適用外となっている肝臓や食道のがんについては、来年4月の制度改正に向けて国に適用を求めているとし、それぞれのがんに対する陽子線の治療効果を紹介した。
 プログラムでは引き続き、金大医薬保健研究域医学系の酒井佳夫准教授が肝臓、胆管、すい臓のがんの病態などを解説し、すい臓がんについては「完全に治すには外科治療しかない」と述べた。がん患者を減らすため、検診や早期発見、生活習慣改善の重要性も訴えた。

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