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不安な今こそ睡眠を(金沢大学プログラム)

 北國健康生きがい支援事業・金大プログラム「脳と心を守る」(同大、北國新聞社主催)は1日、金沢市の北國新聞20階ホールで開かれた。金大大学院精神行動科学の菊知充教授と同大大学院脳老化・神経病態学の山田正仁教授が、心の病と認知症への対処法、予防法を解説した。
 神経科精神科を専門とする菊知教授は、コロナ禍で生じる不安やストレスの解消法について講演。不安や孤独感は適応障害やうつ病を招くことから、運動、趣味、会話の時間をつくるよう呼び掛けた。
 さらに、睡眠不足が心に悪影響を与えるとし、「不安の強い今こそ睡眠が重要だ」と強調。睡眠は精神が安定するだけでなく、免疫力を高めたり、脳の老廃物を除去したりする効果があることを紹介した。「最初の90分間に深い眠りにつけるかが大事」と述べ、決まった時間に寝て起きるといった規則正しい生活習慣が最高の睡眠につながると説明した。
 脳神経内科学が専門の山田教授は、アルツハイマー病による認知症の進行過程を解説した。脳内に異常なタンパク質がたまることで病状が進むと考えられており、症状のない段階からこのタンパク質を抑え、発症を予防する重要性を指摘。新薬などの研究が進んでいる現状を説明した。
 生活習慣の大切さも強調し、適度な運動や社会的活動を続けるよう求めた。七尾市中島の住民をモデルに取り組んだ地域研究の成果にも触れ、「緑茶を毎日飲むと認知機能低下のリスクが減る」と紹介した。

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