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消化器疾患の治療を学ぶ(金沢大学プログラム)

 北國健康生きがい支援事業・金大プログラム「消化器疾患外科治療の最前線」(同大、本社主催)は10日、金沢市の北國新聞20階ホールで開かれた。金大附属病院の教授が胃がんを引き起こすピロリ菌など消化器の病気の要因や、身体への負担を抑える最新のロボット手術などを紹介した。
 胃腸外科の稲木紀幸教授は、胃もたれの原因の一つであるピロリ菌の感染が長引くと、胃がんを引き起こすと説明した。「除菌すれば発症率は3分の1に減る。若い時に除菌すれば効果が高まる」と指摘。ピロリ菌は後天的に体内に入るため、症状があればその都度、検査するよう呼び掛けた。
 腹腔鏡などを使うロボット手術の利点について「術後の合併症を減らし、身体機能の早期回復につながるため、生存率の上昇に寄与できる」と強調した。
 肝胆膵(かんたんすい)・移植外科の八木真太郎教授は、早期発見が難しい膵臓(すいぞう)がんは患者の4人に1人が糖尿病を患っているとして、急激に糖尿病が悪化した場合、膵臓がんを疑う必要があると話した。肝臓がんの治療法や臓器移植の種類を解説し、金大附属病院は北陸唯一の脳死肝移植実施施設であることを紹介した。
 加齢に伴い筋肉量が低下した患者は、がんの再発率が高いとの研究を示し、治療には薬剤師や栄養士らとの協力体制の重要性を説き、「多様な治療法や診断法がある中、チーム医療で患者一人一人をサポートすることが大事」と強調した。

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