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膝痛の最新治療紹介 人工関節不要の再生医療(金沢医科大プログラム)

 北國健康生きがい支援事業の今年度第2回金沢医科大プログラム「あきらめていませんか、膝の痛み」(同大、北國新聞社主催)は10月16日、金沢市の北國新聞20階ホールで開かれ、整形外科の専門家2氏が最新の再生医療による膝疾患の治療を紹介した。
 特別講演した広島大の安達伸生教授は、培養した軟骨をすり減った部分に移植する再生治療を解説し、「人工関節に頼らなくても、膝の機能が長期間保たれる」と述べた。一方で、軟骨の採取、移植という2段階の手術が必要で、高齢者に多い「変形性膝関節症」には保険が適用されない課題も挙げた。
 変形性膝関節症については、O脚や加齢のほか肥満もリスクだと説明。階段の上り下りでは体重の4倍もの負担が膝に掛かると指摘し「1、2キロの体重減でも大きな効果がある」と減量を促した。
 金沢医科大の舘(たち)慶之助教は、同大が今年度導入した、自分の脂肪組織を移植する変形性膝関節症の治療法を紹介した。吸引した腹部の脂肪をかくはんして細かくした後、膝に注射する方法で、国内では同大が初めて成功した。
 手術は当日に入院し、経過観察のため1泊して翌日退院できる。舘助教は「『人工関節手術は避けたい』という人はかかりつけ医に相談してみてほしい」と勧めた。

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