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環境と福祉の融合を 北國健康生きがい支援事業・金城大プログラム 炭谷環境省顧問が講演 「人を大切に、新時代の哲学」
2006/10/18 北國新聞 朝刊

 北國健康生きがい支援事業の金城大学プログラム第一回講演会「健やかに生きよう 環境と福祉の時代」(金城大、北國新聞社主催)は十七日、金沢市の北國新聞会館で開かれた。前環境事務次官で環境省顧問の炭谷茂氏(高岡市出身)が厚生労働省や環境省で自らが政策に携わった「環境」と「福祉」の融合を提唱し、「これは人を大切にするという共通の哲学に立つ新しい時代の生き方だ」と語った。
 炭谷氏は、不登校の子どもたちの支援をしている団体が活動に自然体験を取り入れたところ、一年後にはほとんどの子が学校に行けるようになった事例や、自然の中で農畜産を進める障害者施設、園芸療法で高齢者の健康を増進した研究などを紹介し、「自然との触れ合いは心の安らぎにつながる。環境と福祉は関係が深いと感じながら仕事をしてきた」と述べた。
 環境と福祉の融合で成功した例として、洗濯物を斜めから取り出しやすくした洗濯機が水の節約にも役立った製品、次世代型路面電車(LRT)で高齢者や障害者の外出機会を増やすと同時に二酸化炭素の削減にもつながっている富山市のまちづくりなどを挙げた。
 炭谷氏は「将来は工業原料の三分の一がリサイクルでまかなわれるようになる」と話し、これからの成長産業は環境分野と位置付けた。環境産業を支える労働力として、既存の労働市場には入りにくかった高齢者や障害者、引きこもりの若者などに期待がかかるとして「パイを増やし分配する二十世紀型の福祉国家ではなく、限られた資源を有効に使う環境福祉国家を目指さなければならない」と持論を展開した。



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