北國健康生きがい支援機構
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老化防止へ東西の医学融合 北國健康生きがい支援事業・北陸大プログラム 基調講演やパネル討議 鍼灸体験も実施
2006/12/03 北國新聞 朝刊

 北國健康生きがい支援事業の北陸大学プログラム第一回フォーラム「50歳からの健康―安心できる老後に向けて」(北陸大、北國新聞社主催)は二日、金沢市観光会館で開かれ、北陸大の関連施設である映寿会みらい病院や東洋医学臨床研究所の医師、栄養士、鍼灸(しんきゅう)師らが東洋医学と西洋医学の融合による老化防止の取り組みや、生活習慣病、がんの予防などについて紹介した。無料の鍼灸体験も行われた。
 映寿会みらい病院の古田一史副院長(東洋医学臨床研究所長)は基調講演で、生活習慣病で見られる症状は、東洋医学では血の流れが滞った「〓(痣の志を於に)血(おけつ)」という状態にあると説明し、漢方薬の桂枝狭苓丸(けいしぶくりょうがん)を服用することで「血液をサラサラにするだけでなく、動脈硬化を防ぐ作用も分かってきた」と述べた。
 高齢者が元気で過ごすためには、病気を治す西洋医学だけではなく、病気の一歩手前の「未病」を治す東洋医学の役割が重要だとした。二〇〇八年には認知症の漢方薬、〇九年には老人医療への鍼灸の応用、一一年には高齢者のさまざまな病気に一剤で効く漢方薬が実現すると予想した。
 最新の西洋医学の立場からは、土屋晴生内科部長が映寿会みらい病院で行っている「がん免疫療法」を紹介した。再発予防などに効果が確認されているとし、「完治できなくとも良い状態を保って在宅で過ごせる時間が延ばせる」と話した。
 北陸大の劉園英助教授は体質に応じて食事を選ぶ「食養生」について「レモンや梅干しなどの酸っぱい食べ物は肝臓を養うが、取りすぎると、かえって肝臓が疲弊してしまう」と解説した。
 鍼灸体験は六つの特設ベッドを設置して行われ、東洋医学臨床研究所の水野海騰チーフらが症状を聞きながら足や肩に鍼を打った。
 訪れた人は、西洋と東洋の両面から高齢者医療の現状に理解を深めた。



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